女性らしい美しさ。というとどんなことを思い浮かべるでしょうか。
明るくすべすべの肌。つややかな髪。メリハリのあるスタイルなど。
これらには女性ホルモンが大きな影響を与えています。
婦人科系になんらかの疾患を抱えている場合に、ホルモンバランスが乱れ、その初期症状として肌荒れがあらわれる場合があります。
この場合、いくら外からの治療をしても、なかなか改善されずに繰り返し、肌の深い部分までにダメージを残してしまうことも多々あります。。
もし、ニキビの原因がホルモンバランスの乱れであった場合。
もちろんまずは生活習慣の改善から試してみるべきでしょう。
規則正しい生活。十分な栄養。十分な睡眠。適度な運動などです。
それでもやはり、体のことはなかなか思い通りにならないもの。。
そんな時は、婦人科にかかってみてもよいかもしれません。
ピルが肌荒れに効く可能性
ピルが肌荒れに効くかどうかは、その肌荒れの原因によるものが大きいと思います。
ホルモンバランスの乱れによるものや、月経過多による貧血が原因のものなどは、ピルによる改善が期待できると思います。
過多月経
経血の量は、なかなか人と比べることができないものですよね。
過多月経とは、生理時に経血の量が異常に多くなる症状です。
経血量には個人差がありますが、正常な量は20~140mlの範囲で、これ以上の出血が見られ、日常生活に支障が出るほどになると過多月経と診断されます。
具体的に言うと、こんな症状です。
- 昼用ナプキンを当てていても1時間もたない
- 寝るときに、夜用のナプキンを重ねても漏れてしまう
- ドロっとしたレバー状のものが2日目にもでる
これらに心当たりがある場合は、過多月経の可能性があるので、婦人科の受診をオススメします。
過多月経による貧血
過多月経による貧血は、実はなかなか症状としてあらわれにくいものなんです。
毎月少しずつ進行していくので、貧血に体が慣れてしまうんですね。
実は、貧血と肌荒れには大きな関係があります。
血液には、体に栄養を与える役割があるのはもちろん、実はコラーゲンを作るのにも必要なんです。
貧血を放置していると、段々髪やツメまでボロボロになってしまいますよ。
貧血の女性は老化が早いといいますよね。
私も以前は過多月経で、肌荒れに悩んでいました。。
肌につやはなく、顔色がいつも悪く、ツメがすぐ割れてしまったり、いつも体調がなんとなく優れませんでした。。
ピルを飲むことで、子宮内膜が厚くなることを抑えられるので、過多月経はわりとすぐに改善されますよ❤
もちろん、同時に過多月経を起こしている原因を見つけ、取り除くことも重要です。
こういった症状を放置していると、やがて、着床困難や排卵障害など、不妊の原因にもなりかねませんし、最悪、病気が進行して子宮や卵巣を摘出しなくてはならない状態になるかもしれません。
こういうと少しおどしすぎな気もしますが、子宮や卵巣はとても大事な臓器です。
これからの人生が大きく変わってしまいます。
是非自分の体を大事にしてくださいね❤
ピルの基本原理
ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つの女性ホルモンが含まれています。
これらのホルモンは通常、排卵後に形成される黄体から放出され、次の月経まで排卵が起こらないように抑制する効果があります。
排卵が起こらなければ、妊娠することはあり得ません。そこで、これらのホルモンを摂取することにより排卵をおさえるというのが、ピルの基本原理です。
またピルには子宮内膜を厚くなるのを抑えて、受精卵が着床しにくい状態にしたり、子宮頸管粘液に変化を及ぼして精子の子宮への進入を妨げるなどの避妊効果を高める働きもあります。
これらのさまざまな作用機序によって避妊効果がより高められるのです。
ピルによる副効用
避妊効果だけではなく、ピルにはさまざまな嬉しい副効用があります。
月経に伴う症状に関するもの
- 月経困難症(生理痛)の軽減
- 生理不順の改善
- 経血量の減少による貧血の改善、予防
- 月経前症状(PMS)の軽減
ピルを服用すると、子宮内膜が厚くなるのを抑えてくれるので、月経の量がへります。
また、この子宮内膜から痛みの原因となる物質が出ると考えられていてその原因物質の量が減ることで生理痛が抑えられます。
また、生理前後の気持ちの浮き沈みやだるさなどにも効果があるとされています。
ホルモンバランスに関するもの
- 肌荒れ、ニキビ、多毛などの改善
- 更年期症状、骨粗鬆症の予防
ホルモンバランスによる肌荒れやニキビ、多毛などへの効果が期待できます。
ホルモンバランスが乱れることで、若くても更年期のような状態になってしまうことがあります。
これらの症状にも効果が期待され、若々しい美しさを保つ助けになります。
婦人科系の疾患に関するもの
- ホルモン依存性の筋腫の予防
- 子宮内膜症の進行抑性と症状の改善
- 卵巣がんの予防
- 卵巣嚢腫の減少
- 子宮外妊娠の減少
- 乳房良性疾患の予防
- 骨盤内感染症の予防
- 子宮体がんの予防
以前はピルの服用で乳がんの発生率が上がると以前は言われていましたが、最近のピルではホルモンの含有量がとても少ないのでピルと乳がんの発生率の関係性についてはあまり考えなくてもよいとされています。
子宮頸がんに関してはピルを服用している方のほうが罹患率は上がりますが、これはピルが原因とはいいがたい部分があります。
子宮頸がんはHPVという性行為で感染するウィルスが原因となり、コンドームを使用せず性行為を行うことで罹患率が上がっていると考えられます。
ピルを服用することで予防や、進行抑制をできる疾患も多いんです。
子宮筋腫や子宮内膜症には治療として用いられることもあります。
卵巣がんについては、近年増加傾向にありますが、これは昔に比べて一生のうちに女性が経験する生理の回数が増えたことが挙げられます。
排卵の際、卵巣は大きなストレスを抱えることになります。
排卵は、卵子が卵巣の表面を突き破り飛び出してくる現象のことを言います。
この損傷を修復する際に修復エラーが起こると卵巣がんの原因になるといわれています。
戦前の日本人女性では、生理がくる暇もないほどの多産でしたので月経数は35~40回程度でしたが、現代の女性の平均月経数は400回程度まで増えています。
ピルを長期間服用することで卵巣がんの発生が半減するとも言われていますよ。
また、ピルを飲むと毎月子宮内膜がキレイに掃除されることになるので、子宮体がんも予防効果もあります。
そのほかにも、子宮頸管粘液が変化して、精子だけでなく細菌やウイルスの子宮への進入を防ぐため、骨盤内感染症も減少します。
これらの十分なメリットがあるにも関わらず、日本ではピルの普及率はとても低くなっています。
日本でピルが普及しなかった原因に、実は政府の政策が挙げられます。
ピルが普及することで、性に奔放な女性が増え、性感染症の増加を危惧した政府が、ピルへのマイナスイメージを植え付けたのです。
ちょっと怖いこといってますね笑
でも本当なんですよ。
政府は国民を守ろうとしてくれたんです。
でも、結果、性に対してマイナスイメージを持つ国民が増えてしまい、自分の性に向き合うことが一般的になりませんでした。
実際日本の女性ではクラミジアなどの罹患率がピルが普及している国よりも非常に高くなっています。
とても残念な結果ですよね。
もちろん、ピルにもわずかですが、副作用はありますし、絶対的な解決法ではありません。
でも、悩んで苦しんでる方には、こんな選択肢もあるんだよ。とぜひ知ってほしい存在です。
皆様、20代でも、早すぎるとは思わずに、婦人科検診を受診してみてくださいね❤